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[原題]THE PROBLEM WITH ALTCOINS
原文記事: The Mises Circle - The Problem With Altcoins
著者: Daniel  翻訳: fixer

何故ALTCOINは成功しないのか

Litecoinerの航空学

新しいアイデアは先見の明がある人や開拓者だけでなく、ペテン師や愚か者達も引き寄せる。前者のグループは新たな方法を拡張することを試みることや新たなアイデアのポテンシャル、その本質を理解している。後者は前者の成功を観察し、第二次世界大戦が起こり米軍が飛行場を放棄した時のメラネシアンの*積荷信仰のような空っぽの希望と闇雲な模倣に囲まれた同じような結果を期待している。

この類似点はALTCOINと言われているようなビットコインをモデルとした、たくさんの代替暗号通貨を特徴付けるには決定的に適している。それらは表面的には似ているが、真のゲーム・チェンジャーであるビットコインになるには何かが欠乏している。技術的には、それらはビットコインと非常に似ている。トランザクションを格納するためのブロックチェイン、ブロックチェインを構築するためのコンセンサスメカニズム、およびトランザクションを登録するための暗号メカニズムだ。いくつかの突出した例を上げるとPPCoin、Primecoin、Litecoin、そしてFreicoinがある。

いくつかのALTCOINは興味深く新しいアイデアを取り入れるが、それらはすべて欠乏したビットコインの本質的な特徴がある。それは技術的な問題ではなく、むしろ歴史とコミュニティの問題である。簡単に言えば、市場でより広く受け入れられている貨幣はそうでないものよりも使いやすいということだ。これはネットワーク効果として知られている。それ故に、ふたつのほぼ似たような為替媒体に挟まれた初期の不安定さは片側がその他を圧倒するまで、より広く受け入れられている側が恩恵を得ることになるだろう。この効果には限界がない。究極的には、単一の通貨が常に他のすべての競合相手に打ち勝つことを期待しているということだ。

ビットコインは早くからスタートし、ユーザーを引き寄せ成長する素晴らしい機会を得ることが出来たため、全てのALTCOINを合わせた市場よりも大差で大きな市場を抱えており、これは通貨において非常に、より便利であるということだ。ビットコインを倒すためには、ALTCOINは優れた科学技術ではなく、ビットコインが不換紙幣を上回ったのと同様に、ビットコインを上回るような非常に優れた科学技術が要求される。その上、真に偉大なイノベーションは何か別のものに切り替わることを要求するよりも、ビットコインの型が将来に組み込まれていくことによって人々の役に立つものだ。実際、Zerocoinやmini-blockchainなど本当に良い新たなアイデアを計画する人々は、自らの手で彼ら独自の通貨を開発せず、単純にその機能の実用性を説明した。

ビットコインのコミュニティは圧倒的に大きいわけでもなく、しかし圧倒的にクオリティが高いわけでもない。ビットコインはそのサービスを使いやすく、新たに創りだすために懸命に働く真の起業家に囲まれている。ALTCOINはNakamoto氏の成功を複製した不合理な希望を大口で唱える詐欺師達に囲まれている。これはALTCOINに本質的に違う何かがあるというわけではない。問題のひとつは単にビットコインに存在する。それはコピー製品を作り出すということが通貨の観点からすると付加価値にはならないということだ。ほんの少しソースコードを変え、新しい名前をつけたビットコインをリリースしただけのものが同等の価値になることを本当に期待出来る人間がどこにいる?どんなに素晴らしいビットコインを作ろうとしても簡単には複製出来ない。その上、ビットコインコミュニティが成熟し、起業家がそのポテンシャルをますます引き出し成長させている間、ALTCOINのコミュニティは注目されるために駄々をこねるだけである。

やる気の根拠

Cryptsyの為替レートにもこだわるAltcoiners

暗号通貨は実際何のためにあるのだろうか。私は、その目的が金のためであると主張する。ALTCOINを作ることは明らかにその目的を阻害している。私たちが暗号通貨の目的を金になるよりもむしろ金を生むためにあると信じことによってのみ、ALTCOINの存在意義は説明される。もしあなたがあなたの新しいALTCOINへ投資するよう誰かを騙すことが出来るのであれば、あなたはそれを取引し、もしくは採掘し売ることで利益を出すことが出来るだろう。ALTCOINの支援者による全ての議論は、根本的な目的を取り違えて提供されている。彼ら参入してくる新参者を騙すことのできる誤ったシリーズを開発しているが、それらは全て不誠実である。

その上、ALTCOINコミュニティは厄介な状態ではないが、しかし危険である。売り出す価値がないにも関わらず、真剣に扱われることを必死に望んでおり、彼らは他の人々が参入するよう説得するための絶対性を口走っている。彼らは経済論理、一般常識、もしくは検証可能な事実によって簡単に反論されるようなことをしつこく主張する。彼らは異議を申し立て、好戦的になる。これは売り出す価値のあるものを持っていないためであり、彼らにできることの全てである。彼らは人々を誑かす偉大な人々だ。何故ならば彼らは彼ら自身を誑かすからだ。そして、それらのどこまでが嘘でどこまでが本当なのかもわからない。これはビットコインにとって悪いものであり、騙される人々にとっても悪いものだ。

ALTCOINの支援者による苦情は、彼らに知性があるからではなく彼らにイヤになるほど繰り返されるために反論に値する。しかしながら、最終的には彼らのコンテンツは二流に終わり、実際の問題は彼らの方向性により当然の結果となる。もし私がここで議論している議題が全くの疑問であるのならば、ALTCOINの支援者は間違いを認めるよりもむしろ新しい何かを手探りで見つけるだろう。更に将来的には、私がここで言うことはもはや彼らの言っていることと一致しない可能性も大いにあるだろう。何故ならば、私が上で言っていることは、彼らのしていることがどれも間違っていると仮定しても、安全だからだ。

しかし、ビットコインは健全な競争とは言えないのではないか


まず、ビットコインは既に競争相手を持っている。
それはドルであり、PayPalであり、そして全ての銀行システムである。全くもって豊富な競争相手だ。

次に、競争することがビットコインの繁栄にとって必ずしも良いわけではないという理由がない。もし人々が最も生産的であろうと競争するのであれば、その結果はより多くの製品開発に繋がるため良いといえるだろう。もし、人々が政治体制を管理するために競争しようとするのであれば、政府が非常に冷酷で、恥知らずな人々によって管理されるという結果になり、ろくでもないと言わざるをえない。これらは同一の生産モデルに従っていても、競合するふたつの企業が存在しうるという理由がある。組織はふたつの並行した組織よりも、より効率的であることなく達成することの可能な規模には限界があるということだ。しかしながら、特定の製品またはサービスのためにのみ一つの事業を支援することの出来る経済においては、様々な事業が一斉に支援すべきではない。
(それらの事業の中でただ一つのみが本当にすべきことである。)

通貨の場合には、競争を支配する時に本質的に最も使いやすい通貨となる。競争相手の少ない通貨はより使いやすくなる性質を持っている。もしあなたが、全くもって同じような最高の通貨に立ち向かおうとするのであれば、あなたの通貨を最悪なものとするだろう。よって、あなたはそんなことで真剣に悩むべきではない。

第三に、通貨は交換貨幣として使用され人々に受け入れられるようになることが単純にものさしとなる。大部分は、この競合するための基準が不格好であることに起因する。例えば、私たちは本当にマイルとキロメーターの間で競争する必要があるのだろうか?既得権益を持ったふたつのグループによって発明された自動車があると仮定し、道路の右側か左側を走行するのがベターであるという議題に入るようなものだ。一般的な人々にとっての最大の利益は競争を長引かせることによって得るものではなく、断固とした決定事項である。

最後に、ビットコインコミュニティ内部にも競争は存在する。そしてこれは実際に人々にとって利益を生む競争だ。それは為替取引であり、支払処理システムであり、オンラインストアなどだ。いつでも誰かがビットコインの事業をスタートさせ、ビットコイン経済から利益を生む。そして、いつでも誰かがALTCOINをスタートさせ、ダメにする。

関連するポイントは、ALTCOINは実際に機能するかもしれない異なったアイデアを実験することの出来る引数のようなものだということだ。この利用方法は正攻法で、必要なものだ。しかしながら、実験だと理解されたALTCOINは投資先や独立した製品として扱われないだろう。もし、ALTCOINがそうやって扱われるのであれば、それは大変良いことだ。私の異議は嘘であり詐欺となる。そして、それらの人々が常に嘘をつきながらその行為を実行しているのであれば、その実験は全くもって無価値である。

複数のブロックチェインはネットワーク上の負荷を減少させる


今日機能しているようなビットコインネットワークでは、全てのノードが全てのトランザクションを受け取っている。もしビットコインが更に大きなネットワークとなった場合、全ての人に伝達される必要のある大量のトランザクションが存在する可能性がある。

ALTCOINの支援者は彼らのお気に入りのALTCOINが、様々なことに使われるビットコインとほぼ同じような地位があると想像しているように見える。しかし、ネットワーク効果が常にアンバランスさを保っているためにこれは不可能である。

しかしながら、ふたつのほぼ同じブロックチェインという非常に不安定な状況でさえ、ネットワークトラフィックを減少させる必要性はない。もし人々が両方のネットワークで仕事しなければならないとすれば、彼らは両方のネットワークから毎回トランザクションを受け取らなければならないだろう。そして人々が異なる目的を遂行するために、別の通貨から頻繁に彼らの資金を交換しなければならないとすれば、これはトランザクションの合計よりも多くの結果を簡単にもたらす可能性がある。

どんな場合でも、ビットコインはこの数年の間は成長に伴った痛みを経験する可能性があり、長期的にムーアの法則を上回るような期待をする理由はない。ネットワークの負荷は、金融の劣ったシステムに依存することなく克服することが可能な技術の問題である。

ALTCOINはマネーロンダリングに適している


これは今日では可能なことだ。しかし将来においては保証するものではない。つまり、ビットコインを誰かに売りつけ、再度買い戻すということだ。そこには以前あなたが持っていたビットコインと、今持っているビットコインに繋がりがないということだ。

しかしながらALTCOINは本質的な不安定さがあるため、彼らにとっての目的のために便利なままであることを期待できる理由はない。通貨の価値を保つためには充分な人々がそれを保有したいと考えていなければならない。買い求め、すぐに手放して利益を得ようとする投機家ではなくだ。もし、ALTCOINがマネーロンダリングに適していると言われているのであれば、少なくとも何人かの人々がビットコインを保有するように、ALTCOINを保有したいと考える何かをマネーロンダリングよりも充分に良いと見なされなければならないだろう。

更に、もしあなたが本当に洗浄資金が欲するのであれば、ビットコインをアップグレードさせたようなZeroCoinを支援することをおすすめする。そうでなければ、金や銀のように価値を保つ可能性の高い資産を貿易したほうがよい。

私たちは市場に決断させるべきではないのか


これはこれまで私が耳にしたトピックの中で群を抜いて馬鹿げた議題だ。群衆の知恵はどの人よりも優れているので、人々は市場の考えを推測すべきではないということだ。全くもって馬鹿げている。強制することによって市場の選択肢を決定することは間違っており、それは単に市場のプロセスに従って意見を述べているに過ぎない。この議論をする人々は一貫してヨシフ・スターリンのように非道なコンシューマレポートを唱え続けなければならないだろう。

論理的にこれを結論付けると、誰もが市場に決断を任せ傍観していると仮定する。すると、市場の決断は全ての個々人の埋め合わせの集合であるがために、何ひとつ決断することはないだろう。彼らの誰もが、その製品が別のものよりも優れていることを議論しない。粗悪な製品や詐欺から人々を守るためのコンシューマレポートすら許されない。よって自由市場は機能しない。自由主義者が何らかの本質を見抜き、市場に決断を任せ身を引いた時、彼らはそうは思っていないだろうが、市場の機能を妨げることになるだろう。

いかなる時においても愚かな選択が市場を形成するのは真実である。そして私が言っていることは何一つ間違っていない。これは“市場”が、いかなる時も我々が実際に行う決断と同様に、愚かな人々の全ての決断による集合体だからだ。これは決して私が中央集権の有り様を上回る市場プロセスの構造的優位性を理解していないわけではない。もし私がその状況に市場が勝って欲しいと考えるのであれば、勝利をおさめるために正しい決断をめぐる議論に参加するなどといった馬鹿げたことは出来ない。

Scrypt-coins


ハッシュ関数としてScryptと呼ばれるアルゴリズムに依存した、それぞれが非常に類似した暗号通貨群がある。私はそれらをScrypt-coinと呼びます。それらは同様により早くブロック生成し、異なったコイン採掘スケジュールを持っている。事実、それらのどれもが、恐らくはそれらについて何も書くことがないほどに独創性に欠けており、全くの白紙である。それにも関わらず、もしくはそのために、Scrypt-coinは声が大きく、知性に欠け、最も反抗的なコミュニティであり、そしてそこで取り上げられる議論は虚偽か現実から切り離されているかのどちらかである。

ビットコインが初めて出現した時はまだ、CPUでマイニングすることが可能だった。GPUを利用したマイニングソフトが開発され、CPUマイニングは急速に廃れた。よりたくさんの人々がマイナーになることでビットコインの価格が上昇し続けたために、GPUマイニングはその後しばらくは黒字だった。これはいつまでも続くものではなく、結局FPGAやASICによるマイニングの開発が始まった。これらの技術が開発されることで、GPUマイニングを同様に衰退させるだろう。
マイニング黄金時代。Altcoinerにとっては

しかしながら、大量のGPUを運用しているいくらかのマイナーはこの出来事を見たいとは思わず、また彼らのGPUによる運用成績が不味くなって欲しくなかった。明確に、これは馬鹿げたアイデアである。一般的なコンピュータで長期にわたって利益を獲得することは期待出来ない。利益はより多くの投資家を呼び込み、残留機会を使い果たして減益を招く。

Scryptはメモリを食いつぶし、ビットコインのようなものに使われているASICチップが搭載されている全てのマシーンによるマイニングには結果的に適さないようにデザインされており、それゆえにScrypt-coinマイニングはGPUオーナーの手中にあるものと仮定した。これは、残念ながらFALSEである。もしScrypt-coinでも充分な利益が得られるのであれば、ASICマシーンはメモリをシェアするように設計され、そしてScryptマイニングからGPUを衰退させることだろう。

Scrypt-coin現象は、上で述べたようにフレデリック・バスティアの華麗な風刺のようなCandlemaker's Petitionに例えることが出来る。これは、太陽からの不公平な競合を防ぐために日中の間、法律によって全ての窓を閉じ保たれるべきだというCandlemakersからの架空の討議を提示する。全てのScrypt-coinにおける議論はこのように捉えられるべきだ。彼らは結局、GPUマイニングリグが愚かな投資であるということが判明してしまうことから目を背けたいだけなのだ。

最初のScrypt-coinはLitecoinだ。しかしすぐにGPUのみでマイニング可能なコインを求める人々によって全く似通ったScrypt-coinが開発され、誰もがまた新通貨の先行者利益に肖りたいがためにそこに付加価値を求めた。Feathercoin、Terracoin、CHNCoin、そしてYacoinと、例を上げればキリがないが、しかしALTCOINの全てのコンセプトが背理法によって毎日次々と作られていく。

ASICマイニングの出現は小さなエリートの手中にビットコインマイニングを位置づけるだろう


いや、そうではない。少なくとも他のどのマイニング技術よりも大きくなるということではない。長期的に見れば要求される科学技術の種類には関係なく、マイニングが困難になることで、マイニング技術への投資を他の経済分野に回し同様のリターンを得ること期待するからだ。そしてもちろん私が上で述べたことは、Scrypt-coinがASICマイニングへ免疫を得ることによってFALSEとなる。

この議論の焦点は、収益化よりもむしろマイニングによってALTCOINを獲得することを重視している。一般的なビットコインユーザーは最初期のマイナーを目指すべきだという論理的な理由が見つからない。初期の段階では、ビットコインについての知識が殆どないためにカジュアルなビットコインユーザーがマイナーになり利益を得ることが出来た。しかし現在のマイニングでは他の様々な経済と同様に設備投資が要求される。低採算性と巨大な資本集約度への移行は、どの成熟産業においても不可避である。これはエリート主義ということではなく、単にその産業がますます専門的に成長していることを意味する。これは誰にとっても良いことだし、それはビットコインにとっても同様に必要なことだ。ビットコインの成長に合わせて、大規模な投資はネットワークがトラフィックの増加に対応できることへの保証を要求されるだろう。マイニングが愛好家の手中に残されている限り、それは不可能だろう。

極一部の巨大な企業によってマイニング産業が支配されるといったような潜在的な問題がないと言っているわけではない。システムが買収され規制されることでそれは簡単なものとなるだろう。しかしながら、ビットコインにおいて少数派のマイナーやふたつのグラフィックカードメーカーによってマイニング産業が支配されているように、ALTCOINもまたそうなることはないだろう。

・A shorter confirmation time is a better safeguard against double-spend attack
・Scrypt-coins are more secure against a 51% attack
・PPCoin
・Primecoin
・Freicoin



結論


ビットコインがALTCOINなどのライバルよりも優れているという圧倒的な理由は、圧倒的な人気があるということだ。ライバルの中には、稼働当初はビットコインと同じように、もしくはそれ以上に機能していたかもしれないが、私たちが見てきた歴史を鑑みるに、それらのどれもが長い目で見れば競争力があるとみなすべきではない。もしALTCOINがどうしたわけかオッズを打ち破りビットコインの人気に終焉を迎えさせたのであれば、私は私の忠義を変えなければならないだろう。しかしもしそれが起こったとしたら、私は公に暗号通貨の生存能力に対し疑問をなげかけなければいけないとかんがえる。もし暗号通貨が流行のように騰がったり落ちたりするのであれば、それらに持久性があると信じること、もしくは投資するに値することを正当化するのは難しいだろう。私は将来性の根拠としてビットコインの過去の成功を取り上げたが、論理的な理由なしに初期の小さな競合相手に追い越されるのであれば、暗号通貨の以前の成功など何の意味もない。

要するに、ALTCOIN現象は強欲な製品であり、*限定合理性だ。それらは軽蔑にしか値しないし、世界の改善のためにも暗号通貨を欲する誰もがALTCOINを完全に避けるべきである。






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